日本選手権における統一見解事項
平成11年度審査員講習会
【1999年版】

1997年規定の適用は平成9年1月より発効し平成9年4月26日,27日に行われた1997F3C世界選手権出場者選抜会および平成9年度、平成10年度F3C日本選手権と地区予選に適用されている。

この平成11年度審査員講習会統一見解事項は平成11年度F3C日本選手権に適用される。
また地区予選においては 5.4.8 飛行の回数、5.4.13 進行の方法をのぞき、これに準じる。

5.4.1 ラジオ・コントロール・ヘリコプターの定義
5.4.3 一般規格
5.4.4 ノイズの限度 ※測定方法変更あり
5.4.6 ヘルパーの数
5.4.7 模型の数
以上4項目は1997年規程(以下規程と略す)のとおりとする。

5.4.8
飛行の回数
3回の公式飛行を行う。(1位のタイが解消されない場合を除き、決勝飛行は行わない)
1ラウンドはスケジュールAを使用し 2ラウンド、3ラウンドはスケジュールBを使用する。

5.4.9 公式飛行の定義
規程のとおり。

5.4.10 採点
採点は各審査員によって各演技に対し0点から10点まで(0.5を含む)のスコアが与えられる。
いかなる演技も完了しなかった場合は0点となる。
※採点はスタートのコールで開始し、終了(フィニッシュ)のコールで終わる。
※終了のコールがなかった場合は0点となる。

飛行演技は審査員が明瞭に見ることができる空域(フレーム)において、行わなければならない。
この空域とは垂直方向にO〜60°,水平方向には120°の視野をいう。この規則を遵守しない場合は減点される。(奥行き方向はジャッジラインより100m)
平成11年度日本選手権においては、スペアの審査員がフレームジャッジとなり、フレームオーバーの判定を行う。採点担当の審査員はフレームオーバーを考慮せず採点する。(例えばツー・コンセクテイブ・アキシアルロールズで助手がフレームオーバーを避けるために最後の水平直線飛行が終わる前に終了コールをした揚台は演技の不完全さで減点をする) フレームジャッジは別紙に記録してコンピューターの計算時に全員の採点から1オーバーに対し2点を減点する。左右ともオーバーした場合はその演技は0点となる。
※減点について:通常の減点0.5〜2.0 、大幅減点3.0以上とする。
※上空演技に対する審査員の中心とは、No.3の審査員とセントラルヘリパッドの中心とを結んだ線から無限に延長した仮想平面をいう。

上空侵犯
演技中に飛行禁止エリアを上空侵犯した場合は、その飛行(ラウンド)を0点とする。

5.4.11 順位の決定
計算方法は規程のとおり。
3回の公式飛行(スケジュールA公式飛行1回、スケジュールB公式飛行2回)よりベスト・2ラウンドの得点を合計した成績にて順位を決定する。,
競技が天候その他の理由により中断した場合は次のとおりとする。
※2回公式飛行の場合=1回ベスト公式飛行
※1回公式飛行の場合=1回公式飛行
※1位から3位までにタイがでた場合はカットした公式飛行のスコアを加算してタイを解消する。(千分率を適用)。 もし、タイが解消されない場合は素点数の高い方を上位とする。
それでも1位と2位のタイが解消されない境台はフライオフを行う。

5.4.12 審査の方法
5名の審査員で審査を行う。
審査員はラウンド毎にローテーションを行う。
各飛行の最終スコアは5名の審査員がつけた各演技に対するスコアのうち、最低スコアと最高スコアを削除することによって得られる。スペアの審査員は交替でフレームジャジおよびラインジャッジまたはノイズ測定等の本部作業を手伝う。

5.4.13 運営の方法
準備時間 スターティングボックスに入る5分前に呼出す。
調整時間 エンジン・スタートの合図から5分間が与えられる。
エンジンスタートは前の競技者がスタートして6分後に合図をする。
☆日本選手権および地区予選においては競技の流れをスムースに運ぶために8番目のホバリング演技バーチカル・レクトアングル・1および2を開始もしくは終了したときにエンジン・スタートの合図を出す場合もある。(6分後かどちらか早い方)

細目規程
@スターティング・ボックス内での飛行はアイレベルまでのホバリングに限られ、機体は競技者に対して180°以上機首を振ってはならない。また競技者はスターティング・ボックスの2m円のラインから3m以上離れてはならない。
Aスターティング・ボックスからスタートした後にエンジンが停止した場合、スターティング・ボックスからセントラル・ヘリパッドまでの移動中に機体が着地した場合、また競技者が機体に手を触れた場合、そのラウンドは終了となる。
B競技者はスターティング・ボックスからスタートしてアイレベルの高度を保ち、セントラル・ヘリパッドまでまっすぐ飛行させる。
(※競技者の10mスクエア内立入禁止は解除となった。)
Cいったんセントラル・ヘリパッドに着陸したのちは、スタート(演技名のコール)の前に風向きを合わせるためにー回だけ機体の位置変更(180°の回転)が許される。機体は審査員に対して平行に置かなければならない。
D競技者は、全ての演技中は図5.4.Aに示されている直径1.2mの円内(P)に立たなければならない。
Eスターティング・ボックスにいる競技者は前の競技者がストール・ウイズ・プルバックリカバリーの演技を完了したときは着陸して、エンジン回転をアイドリングまで下げなければならない。
※これは競技者が自発的におこなうこと。前の競技者がオートローテーションに入っても着陸せず計時員にうながされて着陸した場合は警告とする。次のラウンドも警告を受けた場台はそのラウンドの飛行は許されない。 この決定は競技委員長がする。

5.4.14 演技のスケジュール
飛行プログラム
○スケジュールA/スタティック演技・3、エアロバティック演技・5、オートローテーション・ウイズ・180°ターンの9個の演技で構成される。
○スケジュールB/スタティック演技・3、エアロバティック演技・6、オートローテーション・ウイズ・180°ターンの10個の演技で構成される。
○エアロバティック演技は附属書5D1,2 に記されているように開始と終了時の風向きが指定されている。
○スタティック演技が完了後、エアロバティック演技のセットアップを目的としたフリーパスが1回許される。
◎スタティック演技科目を開始後に風の方向が変化しても連続して演技を続けなければならない。
◎スタティック演技科目を開始後にフリーパスがあったときは、フリーパス以後の演技は0点とする。
◎オートローテーション演技を開始する前に風向きを合わせるためにフリーバスを行うことができる。
○演技時間/スケジュールA 9分間(スターティングボックスを出た時点から計測)
         スケジュールB 1O分間(スターティングボックスを出た時点から計測)
◎演技科目名は平成10年度以降のF3C日本選手権および地区予選に限り、長い演技科目名は下記の略称(太字演技名のみ)を使用しても良い。勝手な省略は認めない。特に2つの演技を組み合わせたインサイドループ・ウイズ・ハーフロールズ等はフル演技名をコールしなければならない。

スケジュールA             
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・360°ピルエット → バーチカル・トライアングル・A
2.ノーズイン・アンド・テールイン・ホリゾンタル・エイト ←
3.バーチカル・レクトアングル・1 ←       
4.ツー・コンセクテイブ・インサイドループス → ツー・ループス  
5.ツー・コンセクティブ・アキシャル・ロールズ → ツー・ロールズ
6.ローリング・ストールターン ←
7.インサイドルーブ・ウイズ・ハーフロールズ ←
8.ストール・ウイズ・プルバックリカバリー ←
9.オートローテーシヨン・ウイズ・180°ターン ←

スケジュールB
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・180°アンド360°ピルエッツ →バーチカル・トライアングル・B
2.サークル・ウイズ・360°ピルエッツ ←
3.バーチカル・レクトアングル・2 ←
4.ロール.リバーサル ←
5.プッシュオーバー・ウイズ・360°ピルエット ←
6.コブラロール・ウイズ・ハーフロールズ ←
7.540°ストールターン・ウイズ・ハーフロール →540°・ウイズ・ハーフロール
8.キューバンエイト ←
9.ストール・ウイズ・プルバックリカバリー ←
10.オートローテーション・ウイズ・180°ターン ←


タイムオーバーについて
ある演技が完了しないうちに与えられた飛行時間が終了した場合、その演技のスコアは0点となる。
競技者はただちに模型を着陸させなければならない。
(タイムオーバーの場合は音響的信号による合図をする。)

演技課目の実行
○演技と演技の間に模型の位置変更が行われたならば次の演技のスコアは0点となる。
○エアロバテイック演技は滑らかに、途切れることなく審査員の前を通過する毎に演技しなければならない。
○練習アテンプトは認めない。演技名のコールがあった後は、スタート・コールが無くとも演技とまぎらわしい飛行をした場合は0点とする。
○競技者またはコーラーは選手番号(氏名は不要)、演技の名称、スタート、フィニッシュをコールしなければならない。審査員に聞こえるように明瞭にコールすること。
コールのなかった演技は採点されない。フィニッシュのコールを忘れた場合も同様。
○演技の順序は規則に定められたフライト・プログラムの順序通りに行う。
途中で順序を間違えた場台、間違えた課目および以降の課目はすべて0点とする。
平成11年度日本選手権においては間違った課目以降の飛行を中止させる。審査員全員の合意か陪審の判断による。
○ターンアラウンド(両側の折り返し)には特に細目はない。
(従ってどのような方法のターンを行ってもよい。)
※コーラーがバーチカル・トライアングルとレクトアングルを間違えた場合はスタート前であれば訂正コールが出来る。特例として演技はバーチカル・トライアングルでコールがレクトアングルであった場合、その演技は0点とするが、それ以後の演技は続けられる。

◎採点について
演技の定義に記されている減点項目と別紙競技ルールの採点基準に記している共通減点項目を併せて審査減点を行う。
1997年規定も今年で運用3年目にあたり演技に対しての習熟度も向上したものと思われるので本年度は演技に対する完成度、正確さに重点をおく。

演技図5D1および5D2に対する完成度による採点の上限についてー部の演技を抜粋した。

A1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・360°ピルエット
上昇、降下の45°の角度と航跡の直線度および360°ピルエット中の水平方向の偏芯量に注意。審査員側から見て正確な三角形が形成されていること。垂直演技面が傾かない。離着陸の上昇降下経路は垂直であること。以上の要素に1つでも不完全部分が認められる場合は最高を8点までとする。
そのほかに共通項目として離陸、空中停止、着陸に対しての減点がある。

A2.ノーズイン・アンド・テールイン・ホリゾンタル・エイト
この演技は必ずノーズイン・サークルから始めなければならない。 テールインから行ったときは0点。
サークルは半径5mの円でサークルの中心はNO.2および、No.5フラッグで.No.1、No.3およびNo.4,No.6のフラッグ上を通過する。機体の前後軸は常にサークルの中心を向いてる。
2つサークルの接点はセントラル・へリパッド上で直線の交わりがないこと。高度と機速がー定である。離着陸の上昇降下経路は垂直であること。以上の要素に1つでも不完全部分が認められる場合は最高を8点までとする。
そのほかに共通項目として離陸、空中停止、着陸に対しての減点がある。


A3.バーチカル・レクトアングル・1
中央フラッグ(2,5)上でアイレベルの高度から低速な360°ピルエツトを行いながら4mの高度まで垂直上昇する。前半の上昇ピルエットがー定の上昇率、一定の回転率を保って4mの高度に到達したか?。後半の降下部分は2m降下した位置で上昇時と反対方向の360°ピルエツトを行う。
直線飛行10mおよび5mは水平で高度、機速がー定でスムースであること。
以上の要素に1つでも不完全部分が認められる場合は最高を8点までとする。
共通項目として離陸、空中停止、着陸に対しての減点がある。


B2.サークル・ウイズ・360°ピルエッツ
この演技のサークルとピルエット姿勢の関係を別図を参考に説明します。
定義によると次のようになっている。
「模型は、ヨー軸周りに3回転低速な回転をしながら任意の方向に円周フライトを行う。3回転のピルエットはサークルのパスと同じ方向にー定の比率で行わなければならない。(サークルが時計回りのときはピルエットも時計回り)
360°の位置に到達したときに模型は停止する。」
1)サークルの中心を基準として円周フライトを行った場合、0°〜180°で1回、180°〜360°で1回、合計2回のヨー触回りのピルエットとなります。
2)円周を30°ずつ等分して、各位置の姿勢を見ると、円周0°位置の姿勢を基準としたならば0°〜120°で1回、120°〜240°で1回、240°〜360°で1回、合計3回の円周 上におけるヨー軸周りのピルエツトを行ったことになります。
この演技の完成度はマスト軸の航跡が円になっているか? 90°、270°の位置でスクエアのラインから航跡が外れていないか? またテールが中心を向いているか?。
360°の位置で中央フラッグ(2,5)の上にいるか?。180°、360°の位置で機首が中心を向いているか?。高度と機速がー定である。
以上の要素に1つでも不完全部分が認められる場合は最高を8点までとする。
共通項目として離陸、空中停止、着陸に対しての減点がある。


A9.B10.オート・ローテーション・ウイズ・180°ターン
開始高度は20m以上。
◎次の場合は0点とする。
スタートコール時から着陸までの演技中にエンジンが停止していないことが確認された場合
◎着陸時に機体が転倒した。メイン・ローターがボデーや地面に接触した場合は大幅減点。
場外(120°フレームおよび奥行100m)着陸時に転倒した場合は0点とする。
※スタートコールは、センタージャッジとセントラル・ヘリパッドを見通したラインを上方に垂直に伸ばした仮想垂直面を横切った瞬間にコールする。機体はスタートコール前にエンジンを停止してオートローテーションに入っていなければならない。スタートコール前に旋回が開始されている場合はその後の飛行が完全であっても大幅減点をする。
スタートからセントラル・ヘリパッド上に着陸する直前まで、上方からみて180°の半円であり、ジャッジから見てターンと降下のレート、機速が一定であり、機体の姿勢変化がなく、セントラル・ヘリパッド内にスキッドが完全に納まり、かつジャッジラインに平行にセントラル・へリパッド上にスムースに着陸したときのみ最高点の10点が与えられる。完璧な着陸でスキッドまたはランディングギヤがサークルの内側に触れていた場合の最高点は9点。
スクエア内に完壁な着陸をした場合の最高点は8点。スクエア外に完壁な着陸をした場合の最高点は5点。(スクエアから5m以内とする)
最終進入で3m以上の水平飛行および直線飛行、フレアのかけすぎが認められた場合は大幅減点とする。最終進入で10mスクエア外からの水平飛行および直線飛行があきらかな場合は着陸が完壁であっても最高点は5点以下とする。
またすべて完全であっても最終にセントラル・ヘリパッド入れるために横滑り飛行が認められたときは最高点は5点迄とする。
着陸時の機首の偏向は45°で減点1点とする。


A4〜A8、B4〜B9、エアロバティック演技
スケジュールA及びBのエアロバティック演技科目は全て対称の演技である。
したがって高得点を獲得する条件として演技の中心はセンターでおこない、センターに対しての演技の対称度が重要である。
※すべてのエアロバテイック競技は前後に10mの直線水平飛行がありその長さは同一でなければならない。
※ループ系の演技は開始時と終了時の飛行経路、高度が同一で垂直面の傾きが無いこと。
円の開始点と終了点は交差してはならない(内接円であること。)
インサイドループ・ウイズ・ハーフロールズの背面は背面姿勢の明瞭な直線成分の飛行が確認できればよく特に長い背面飛行は無用である。
キューバンエイトは45°の降下ハーフロールの交点が中心となる。
※ロールについては開始時と終了時の飛行経路、高度が同一でスタートから終了までの演技時間は4秒以上であること。センターは1回目のロールが終了した正面姿勢で通過するのが望ましい。飛行経路の奥行方方向の偏流は大きく減点される。
※垂直上昇演技については、ローリング・ストールターンおよびプッシュオーバー・ウイズ・360°ピルエットと 540°ストールターン・ウイズ・ハーフロールは垂直上昇位置がセンターとなる。
※ストール・ウイズ・プルバックリカバリーは10mの直線水平飛行ののち4分の1円の引き起こしをして垂直上昇飛行に入るが、直線水平飛行でセンターを通過後、4分の1円の引き起しを開始する。垂直上昇後の高速後退飛行はー定高度を保ちセンターを水平姿勢で通過する。垂直演技面の傾きが無いこと。


スコアを0点にする場合は審査員全員の合意事項とする。
安全のため飛行中に落下物が認められた時はその演技課目は0点とし以降は飛行中止とする。

安全のため、風速が1分間継続して12m/SECを超えるとき。降雨が激しく延べ1時間以上競技を中断して日没までに最終の選手の飛行が終了する見込みが無いときはそのラウンドを中止する。
小雨でも天候の回復が望めず悪化の可能性がある場合は役員、選手で協議し中止する。

※予選引受団体はこの統一見解事項に沿って予選を実施してください。
地区別格差が無いように、また選手が不公平にならないように留意してください。

                     1999.3.13
                     日本模型航空連盟
                     RCヘリコプター委員会