97年度ルールが決定されるまでの経緯

ルール大改訂年にあたる1997年に向けて、95年頃から改定案が
出始めました。
KOMOがF3C委員会の委員に推挙されたのもこの頃で、委員になった
とたんに第一案の原文を渡されました。 (^^;
ルール改訂の経過を書いてみました。

第一案(95年6月)
ルール改定の最初の案は95年6月に提出されました。
30種類の演技が含まれていました。(良くまあ考えたものです)
まじめなKOMOは必死になって図を描いた(花子で)ことを覚えています。

主な内容

飛行プログラム
飛行プログラムは、それぞれ10個の演技で構成される3つの演技スケジュールから成る。 スケジュールのAとBは予選ラウンド1〜4で交互に行われる。(すなわち ラウンド1と3ではスケジュールA、ラウンド2と4ではスケジュールB)
決勝ラウンド1、2そして3はそれぞれスケジュールA、BそしてCを用いる。
スケジュールA
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・360゜ピルエット 
2.アワーグラス
3.キャップ
4.ツー・コンセクティブ・アキシャル・ロールズ  
5.ツー・コンセクティブ・インサイドループス  
6.180゜ストールターン・ウイズ・ハーフロール 
7.インサイドループ・ウイズ・ハーフロールズ   
8.ダブル・180゜ストールターン        
9.コブラロール・ウイズ・ハーフロールズ     
10.180゜ターン・オートローテーション

スケジュールB
1.バックワード・ホバリング・サークル
2.ノーズイン・アンド・テールイン・ホリゾンタル・エイト 
3.スクエァー
4.ダブル・インメルマン           
5.540゜ストールターン・ウイズ・ハーフロール
6.ループ・ウイズ・360゜ピルエット      
7.フィギュアー・S・ウイズ・ハーフロールズ
8.ハーフリバース・キューバンエイト
9.プッシュオーバー・ウイズ・360゜ピルエット
10.360゜ターン・オートローテーション

スケジュールC
1.バックワード・ホバリング・レクトアングル
2.ノーズインサークル・ウイズ・360゜ピルエット
3.トップハット
4.ストール・ウイズ・テールスライド・プラス・180゜ターン
5.右ロール・左ロール
6.アウトサイドループ                        
7.ローリング・ストール・ターン・ウイズ・1/4ロールズ
8.コンプレックス・アウトサイドループ
9.背面飛行2秒
10.180゜オートローテーション・アフター・バーチカルハーフロール
演技の例 バックワード・ホバリング・レクタングル

演技の例  コンプレックス・アウトサイドループ
演技の例  ローリングストールターン・ウイズ・1/4ロールズ
第二案(95年11月)

第二案は95年11月に提出され、最終案のベースとなりました。


5.4.14 演技のスケジュール
【飛行プログラム】
飛行プログラムは、9個の演技で構成される演技スケジュールAと、
10個の演技で構成される演技スケジュールBにより構成される。
スケジュールのAは予選ラウンド1〜4で、決勝ラウンド1、2そして3では
スケジュールBが用いられる。
【スケジュールA】
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・360゜ピルエット 
2.ノーズイン・アンド・テールイン・ホリゾンタル・エイト 
3.キャップ1
4.ツー・コンセクティブ・インサイドループス   
5.ツー・コンセクティブ・アキシャル・ロールズ  
6.インサイドループ・ウイズ・ハーフロールズ   
7.180゜ストールターン・ウイズ・ハーフロール 
8.コブラロール・ウイズ・ハーフロールズ     
9.オートローテーション・ウイズ・180°ターン

【スケジュールB】
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・180°・アンド・360゜ピルエット 
2.ノーズインサークル・ウイズ・360゜ピルエット
3.キャップ2
4.プッシュオーバー・ウイズ・360゜ピルエット    
5.コブラロール・ウイズ・オポジット・ハーフロールズ  
6.右ロール・左ロール   
7.ローリング・ストール・ターン・ウイズ・1/4ロールズ
8.540゜ストールターン・ウイズ・ハーフロール    
9.キューバンエイト               
10.オートローテーション・ウイズ・180°ターン


Final Version (96年4月2日)

発行日となる97年の前年のCIAM総会に提出されたものでFinal Versionと呼ばれたものです。
演技に係数がつきました。   
ターンアラウンドの方法に指定がありました。


5.4.14 演技のスケジュール
【飛行プログラム】
飛行プログラムは、9個の演技で構成される演技スケジュールAと、10個の演技で構成される演技スケジュールBにより構成される。
(略)
各演技スケジュールのホバリング演技(1,2及び3)における係数はk=2とし、残 りの演技の係数はk=1とする。
(略)
スケジュールのAは予選ラウンド1〜4で、決勝ラウンド1、2そして3ではスケジュ ールBが用いられる。
【スケジュールA】
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・360゜ピルエット 
2.ノーズイン・アンド・テールイン・ホリゾンタル・エイト 
3.バーチカル・レクトアングル・1
4.ツー・コンセクティブ・インサイドループス  
5.ツー・コンセクティブ・アキシャル・ロールズ  
6.ローリング・ストールターン         
7.インサイドループ・ウイズ・ハーフロールズ  
8.ストール・ウイズ・プルバックリカバリー    
9.オートローテーション・ウイズ・180°ターン

【スケジュールB】
1.バーチカル・トライアングル・ウイズ・180°・アンド・360゜ピルエッツ 
2.サークル・ウイズ・360゜ピルエッツ
3.バーチカル・レクトアングル・2
4.ロール・リバーサル                 
5.プッシュオーバー・ウイズ・360゜ピルエット     
6.コブラロール・ウイズ・オポジット・ハーフロールズ   
7.540゜ストールターン・ウイズ・ハーフロール    
8.キューバンエイト               
9.ストール・ウイズ・プルバックリカバリー       
10.オートローテーション・ウイズ・180°ターン

【演技科目の実行】
(中略)
ターン・アラウンドは、一定高度のターン、Chandelle、ウイング・オーバー、
インメルマンまたはスプリットSによってのみ実施される。


更新版(96年8月21日)

更新版と呼ばれたもので、ピルエット方向、ロール方向など詳細部分を手直ししたものです。
Final Versionをもとに各国で実験使用されその結果ターンアラウンド(演技の両端の折り返し)の
細目の表記は必要なしとして削除されました。



正式版発行(97年1月)

Rev.1発行(97年3月) 

FAI小委員会決議及び一部正誤訂正

Rev.2発行(97年4月)

小委員会通達による正誤訂正が主なもの。
ターンアラウンドに細目を設けないとなったら、ターン中に一周円もどきの飛行をした馬鹿者が
どこかの国で出たため  ターンアラウンドは細目を設けないが180度以内とする 
と表記された。



Rev.3発行(97年8月)

世界選手権実施前の最終訂正版となりました。
この当時、ヘディングロックジャイロが登場(CSM社製)使用の認可の是非が論議され、結果として世界選手権
でも使用OKとなりました。
また、ターンアラウンドに細目を設けても監視者がいないため無意味との考えから細目の表記は再度なくなりました。