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| 2023 Ｆ３Ｃ世界選手権 競技観戦の基礎知識 Ｆ３Ｃ世界選手権のレポートをごらんになる方のために、どのような競技会なのかをより知っていただくために整理してみました。 なお、現行ルール及び主催者告知（Bulletin）を元に記載し、一部未確定事項については推定も加えてあります。競技開催後の選手ミーティングの結果で一部訂正があるかもしれません。 |
| １．使用ルール |
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| ＦＡＩ Ｆ３Ｃルール（2020年版)による。 競技エリアのレイアウト 予選ラウンド（第１ラウンド〜第４ラウンド）は 演技スケジュールP を使用する。 決勝ラウンド（フライオフと言う）には 演技スケジュールF を使用する。 |
| 今大会で使用される2020年度版ルールでは。。。 １．団体順位の集計が順位ポイント制 以前(2013以前)のルールは、 各選手の予選ラウンド１〜４のうち一番低いラウンド得点を切り捨てた３ラウンド分の合計得点を 合算したものが団体成績 となり、団体順位が決定されていました。 今回のルール（前回 2019も同じ）は、 各選手の最終順位をポイントとし、各チームの合計ポイントが低い順に団体順位とする。 ただし、３人出場しているチームの順位付けに続いて２人出場のチームの順位付けを行い、続いて １人出場のチームの順位付けを行う (こうしないと出場者の少ない国が有利になってしまう矛盾が生じるため) 《補足説明 １ 》 これまでは、出場者全員が参加している予選ラウンド終了時点の得点で団体順位が決まっていましたが、 現行のルールでは決勝終了時点の各選手の順位をポイントとして（例えば ４位は４ポイント ６位は６ポイント） その合計ポイントが最も低いチームが団体優勝 一人も決勝に出られなかったチームは、その時点の順位が確定しているので順位は変わらず。 何人かが決勝に出られれば、その選手が順位を上げてゆけばチーム順位もより上位になる。 日本や米国のように全員決勝に出る（？）チームは団体優勝に限りなく近いことになります。 ちなみに前回(2019年)は団体優勝 日本、ぶっちぎりの得点差でした。 粒ぞろいの選手が揃っている日本にはよりよいルールですね （勘違いしないように、この方式を提案したのは日本でも米国でもなく、欧州の方々ですよ。。。） 《補足説明 ２ 》 参加選手は３種類に分類されます。 （１）前回のワールドチャンプ・・・個人順位のみが成績となる、団体成績には集計されない。 注）ルール上は前回チャンプを団体成績に加算は可能です、その場合、他２名での参加です。 （２）１８才以下の選手（ジュニア） ・・・各国一名のみ参加可能、成績上位はジュニアのみのタイトルももらえる （３）一般の選手（シニア）・・・・各国３名まで参加可能 シニア３名、ジュニア１名の最大４名のチームでの参加が可能 この場合、団体順位の集計では、良い成績の３名分を集計 この大会には日本チームに岩田選手がジュニア枠でエントリーしています 団体順位に関しては、仮に、シニア3名にアクシデントがあってコケても 岩田選手の順位ポイントが生きる ある意味最強でしょ 《補足説明 ３ 》 個人成績の集計では、前項の（１）（２）（３）の全員が対象になります。 団体成績の集計では、（１）の前回チャンプ と４名参加の国の最下位の選手の 成績は集計対象外となります。 このため、一つの議論として、この集計対象外の選手分を除いて個人順位を再集計して 団体成績集計すべきとの意見があり、次年度からの新ルールに取り入れようと提案した国もあったようです。 結果として、”なんでそんな必要有るの？”と言ったかどうか分かりませんが否決されたようです。 《補足説明 ４ 》 ということはですよ 岩田選手は 個人チャンプが狙える（いとー選手などを押しのければ。。。） 団体優勝のメダルが狙える（日本チームの中で最下位でなければ。。。） ジュニア優勝のメダルが狙える（ほかに出ているジュニアは1名。。） すげー ２．より電動機が参加しやすくなった 機体重量制限が、 2011年度までのルールまでは、（燃料を除く、電池を含む）重量は６Ｋｇを超えてはならない。 2015年度からのルールでは、（燃料及び電池を含む）重量は6.5Ｋｇを超えてはならない。 これにより、少し重めの電池でも使用可能となり選択肢が広くなった 補足として、部分改訂で２０１４年１月からはピストンエンジンの排気容積が無制限となってます。 １２０以上のエンジンもすでにでているようで、世界選手権はまた様相が変わるかも。。。 注）排気量はＦＡＩルールでは無制限ですが、日本国内の航空法では125ccまでしか使えません （125cc以上は模型とは見なされない(実機扱い)）、機体重量制限があるので実質無問題です。 |
| ２．ジャッジング | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| 予選ラウンド 選手の演技は約１０Ｍ離れた位置並んだ５名のジャッジにより採点されます。 一つの演技毎に演技の完成度に応じてジャッジペーパーに０〜１０点（０．５点刻み）のマークを付けます。 その演技に対して５人のジャッジが付けた点のうち、最高点と最低点を切り捨てた、３名分の得点合計がその演技の得点（ジャッジ素点数とも言う）となります。 全演技のジャッジ素点の合計が選手にとってのそのラウンドのジャッジ素得点となります。 予選ラウンドの素点の最高点は、３人×１０点×１０演技＝３００点 決勝ラウンド 各演技に対して５人のジャッジが付けた点のうち、最高点と最低点を切り捨てた、３名分の得点合計がその演技の得点（ジャッジ素点数とも言う）となります。 全演技のジャッジ素点の合計が選手にとってのそのラウンドのジャッジ素得点となります。 決勝ラウンドの素点の最高点は、３人×１０点×１０演技＝３００点 |
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| ３．ラウンド得点（スコア） | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| この大会に使用されるルール 各ラウンドの成績は、そのラウンドでの最高素点を１０００点に換算し、これを元に全選手のジャッジ素点を比率で換算して算出する。 |
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| ４．団体成績 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 一カ国の出場選手は最大３人。 各選手の最終順位をポイントとし、各チームの合計ポイントが低い順に団体順位とする。 ただし、３人出場しているチームの順位付けに続いて２人出場のチームの順位付けを行い、続いて１人出場のチームの順位付けを行う シニア３名、ジュニア１名の最大４名のチームでの参加が可能、この場合、団体順位の集計では、良い成績の３名分を集計 これって、参加国数が多く、多くの国が3名でエントリーしている頃修正したルール 2023年の大会に3名以上エントリーしているのは、中国、日本、USA、スイスの4カ国のみ ということは団体順位は最悪でも4位 仮に3名エントリーの国が1カ国のみだったなら団体優勝決定？ |
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| ５．個人成績 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 選手の個人成績は、予選ラウンドと準決勝、決勝ラウンドの総合で算出されます。 予選ラウンド１〜４のうち一番低いラウンド得点を切り捨てた３ラウンド分の合計得点が個人の予選ラウンド成績となります。 この得点の上位28人の選手が準決勝に出場できます。 準決勝進出28名について、予選ラウンド得点を再度１０００分率に換算し、予選ラウンド得点(キャリーオーバーと言う)とします。 準決勝ラウンドは、準決勝第１ラウンド、第2ラウンドが行われ、各ラウンドとも、 ジャッジ素点を１０００分率で換算し算出されます。 予選ラウンド得点、準決勝１、準決勝２の3個の得点のうちもっとも低いものを切り捨てた2個の得点の合計が個人の準決勝の成績となります。 この得点の上位14人の選手が決勝に出場できます。 決勝進出14名について、準決勝ラウンド得点を再度１０００分率に換算し、準決勝ラウンド得点(キャリーオーバーと言う)とします。 決勝ラウンドは、決勝第１ラウンド、第2ラウンドが行われ、各ラウンドとも、 ジャッジ素点を１０００分率で換算し算出されます。 準決勝ラウンド得点、決勝１、決勝２の3個の得点のうちもっとも低いものを切り捨てた2個の得点の合計が個人の最終成績となります あーめんどくせー これって、参加国数が多く、多くの国が3名でエントリーしている頃修正したルール 今回の大会は参加者19名？ 全員準決勝。。。 |
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| ６．予選ラウンド２面進行（その１） ※今大会は１面進行です | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 2010年版以降のルールでは、５５名以上の出場者の場合は２つのフライトラインを使用する(二面進行)とあります。 第８回大会(ポーランド)までの世界選手権は、Ｆ３Ｃは１面（競技場１つ）での進行でした。 スケジュールＡは、演技時間、調整時間等を考えると進行上は１時間あたり６名が限度です。 会場の位置と季節により日照時間が異なるものの、正味８時間が限度と考えられ、５０名程度での競技であれば進行は可能です。 第８回 ポーランドでは、出場者６０名以上、競技開始７時、終了１８時でした。 ７０名以上であれば、１面での予選ラウンドは物理的に不可能です。 この場合は２面以上で進行する必要が生じます。 １つのラウンドを長時間に渡って行った場合、もう一つの問題が発生します。 朝、昼、夕と飛行環境が異なりすぎる事への不公平感です。 これを解消すべく第１〜４ラウンドでは、選手の出場時間を均等に変更しますが問題は残ります。 もう一つの問題はジャッジングです。 ジャッジはラウンド中交代できませんので（倒れれば別ですが．．．）長時間に渡り審査します。 ルールに照らして採点していくわけですが、人間が行えば比較での要素は拭えません。 朝早くから夕方まで、めちゃくちゃ上手い選手と????の選手が混在して出場する場合、長時間に渡ると全体として正確さを維持して審査できるかの不満感が残ってしまいます。 出場者が多くても、半日程度で終えられれば上記の不満要素は解消できます。 これを可能にするのが複数面での進行です。 ただし、ローカル大会のように選手が多いので２グループに分けて別のジャッジで同時にやって集計するような無茶なことは公式大会では出来ません。 複数面の進行の方法はルールブックに明文化されてはいませんが、ルールに準じて考えていけばいいわけです。 ”一つのラウンド中、飛行場もジャッジも同じ。” この原則が成立している限り１つのラウンドが２日にまたがったとしても成立すると考えられます。 予選ラウンドは、４ラウンドですから、これを４日間で行うと考えた場合、方法は次の３つです。 １． １面でやる（出場者は４０〜５０名が限度） ※今大会は１面進行です ２． ジャッジグループを２グループ、飛行場を２面使って進行する。（いわゆる２面方式） ３． ジャッジグループを４グループ、飛行場を４面使って進行する。（出場者が１００名以上の場合） （注）今回の世界選手権では、予選ラウンドは1面での進行のようです。 |
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| ７．予選ラウンド２面進行（その２） ※今大会は１面進行です | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 予選開始直前の選手ブリーフイングで進行の詳細説明の結果訂正があるかもしれませんが、推定するとこのような進行になります。 選手を２つのグループに分ける（仮に ＡグループとＢグループとします） 飛行場はＡライン、Ｂラインの二つを使用 １０名のジャッジを２グループに分ける（仮に ジャッジ１とジャッジ２とします）
表の同色の部分が、同一飛行環境なので、これを１つのラウンドと考えればよい。
言い換えると、全選手が１日に１ラウンド行うのではなく、２日で２ラウンド行うと考えればよいのです。 第２日目に２ラウンド分が確定し、４日目に４ラウンド分が確定すると考えて、予選ラウンドの得点表を観ていてください。 （注）今回の世界選手権では、予選ラウンドは1面での進行のようです。 |
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| ８．雨等で不成立のラウンドがあった場合はどうなるのか | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| Ｆ３Ｃルールによると、"選手は４ラウンドの予選ラウンドに出場する権利を持つ" とあります。 ということは、競技中雨天での不成立日が発生した場合、設定されている予備日を充て、それでも足りなければ決勝ラウンドの日程を使ってでも行うことになると考えられます。 予選ラウンドは、全選手が出場し、国別の順位決定でも意味もあるラウンド。 決勝ラウンドは上位選手に順位を上げるチャンスを与えるオプション。 と考えられます。 これまでの世界選手権は、天気には恵まれ不成立ラウンドは無かったと記憶しています。 今回の大会が大風等を食らい２日雨による不成立が発生すれば予備日では足りなくなります。 決勝ラウンドが無くなる可能性もあります。 実際にそのケースが発生した場合、陪審員(ＪＵＲＹ)の判断で進行が決まると考えられます。 ＦＡＩ選手権の会場では、陪審員(ＪＵＲＹ)の権限は実に強大なのです。 (これ以上のフォントサイズがありませんが、この数倍大きく書きたいくらいです) 日本的にはJURYを陪審員と表記していますが中国チームの関係者によれば裁判長と表記するとのこと。 どちらかといえばその方があたっています。 ●裁者とまではいいませんけど。 注） 日本選手権では、あらかじめ雨天による不成立日が発生した場合の解釈をあらかじめ設定しています(日本版ルール) |
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